話される英語を聞き取る:弱い形、短縮形、対比の強勢
話される英語は、書かれた形のとおりには聞こえません。このレッスンでは、二人が電話で会う日を決めますが、大事なことが聞き取れなくなりそうになります。中心になるのは、文法の小さな語は弱くなり、情報を運ぶ語は強く残るということです。だから、強い語を追い、質問の始めで何を聞かれているかをつかみ、短くはっきり答え、迷ったら確かめましょう。自分で音を縮めて話す必要はありません。目標は聞いてわかることです。
もう知っていること
知っている表現がいくつかあります。“Do you work here?”(ここで働いていますか)は今のことを聞く文で、短い答えは助動詞をくり返します。“Yes, I do.”(はい、働いています)です。“Did you work yesterday?”(昨日は仕事をしましたか)は過去のことを聞く文で、“No, I didn't.”(いいえ、しませんでした)と答えます。“Could you repeat that?” はていねいにくり返しを頼む文で、“Do you mean next week?” は「来週のことですか」と確かめる文です。これから、こうした質問が速く言われても聞き取れるようにします。
Do you work here?
Yes, I do.
Did you work yesterday?
No, I didn't.
Could you repeat that?
Do you mean next week?
この会話の言葉
hear は「聞こえる」で、音が耳に入ることです。listen(注意して聞く)とは違います。say は「言う」で、過去形の said は「セッド」に近い音です。call は「電話する」、meeting は「会議」です。Tuesday は「火曜日」、Thursday は「木曜日」で、電話ではこの二つの音がまぎらわしいことがあります。
会う日を決める電話
二人が電話で会う日を決めていますが、電話の音があまりよくありません。会話全体を聞きましょう。聞き取れなかった人は、わかったふりをしません。先に進む前に Tuesday or Thursday?(火曜日か木曜日か)や you can or you can't?(来られるのか来られないのか)と聞いています。Did you say は「〜と言いましたか」、this morning は「今朝」です。
- A
Can you hear me?
- B
Yes, I can. Did you call me this morning?
- A
Yes, I did. Can you come on Tuesday?
- B
Sorry, did you say Tuesday or Thursday?
- A
I said Tuesday, not Thursday.
- B
I can't come on Tuesday because I have a meeting.
- A
Sorry, did you say you can or you can't?
- B
I can't come on Tuesday, but I can come on Thursday.
- A
OK. I'll call you tomorrow.
弱い語と強い語
英語の文では、主な動詞、名詞、曜日、数字のように情報を運ぶ語は、ふつう強く長く発音されます。一方、助動詞のような文法の小さな語は弱くなることが多く、母音がほとんど消えます。“I can come on Thursday.”(木曜日は行けます)で強いのは come と Thursday で、can はとても短く、「クン」のように聞こえます。“What do you want to eat?”(何を食べたいですか)の do もほとんど聞こえません。“I was at home yesterday.”(昨日は家にいました)の was、“Have you finished the report yet?”(レポートはもう終わりましたか)の have、“What are you doing?”(何をしていますか)の are も同じです。日本語はどの拍もほぼ同じ長さで発音しますが、英語では強い部分と弱い部分が交互に現れます。
これは文の始めや途中にある、強調されない助動詞の話です。文の終わりでは元の形に戻ります。“Yes, I can.”(はい、できます)の can ははっきり聞こえます。ですから、すべての語を聞こうとせず、強い語を追って、小さな語は文脈で補いましょう。急いでいる人は、もっと縮めることがあります。自分が話すときは、縮めなくてもかまいません。全部きちんと言ってもいいです。
I can come on Thursday.
What do you want to eat?
I was at home yesterday.
Have you finished the report yet?
What are you doing?
Yes, I can.
質問の始めの音を聞き分ける
質問の始めは短いですが、相手が何を知りたいのかを示します。ここでは語がつながります。did you は「ディジュ」、could you は「クジュ」、do you は「ジュ」や「ドゥユ」、can you は「クニュ」のように聞こえることがよくあります。これは音を示すための書き方で、英語でこう書くわけではありません。Did you…? は過去のことを聞きます。Do you…? はふだんのことや予定を聞きます。Can you…? はできるかどうかを聞いたり、頼んだりします。Could you…? はもっとていねいに頼む言い方です。
型の文では始めだけが変わります。“Did you work on Saturday?” は「土曜日は仕事をしましたか」、“Do you work on Saturday?” は「土曜日は仕事をしますか」、“Can you work on Saturday?” は「土曜日に仕事ができますか」です。始めが聞き取れなくても、yesterday(昨日)や tomorrow(明日)のような言葉が時を教えてくれます。
はっきり答えるには、助動詞をくり返して情報を足します。“Yes, I did. I worked in the morning.”(はい、しました。午前中に仕事をしました)のように言います。Could you…? への短い答えには、ふつう could ではなく can を使います。“Sorry, I can't. I have to go to a meeting.”(すみません、できません。会議に行かないといけません)
Did you / Do you / Can you / Could you work on Saturday?
Did you work on Saturday?
Yes, I did. I worked in the morning.
Do you work on Saturday?
No, I don't. I work from Monday to Friday.
Can you work on Saturday?
Yes, I can. I can work in the morning.
Could you work on Saturday?
Sorry, I can't. I have to go to a meeting.
短縮形:小さな音が意味を変える
短縮形では、動詞の一部が前の語にくっつくので、聞き落としやすくなります。“I'll call you tomorrow.”(明日電話します)は未来の話です。'll がない “I call you every day.”(毎日電話します)は習慣の話です。“I've called Ana.”(アナに電話しました)の 've は have です。
二つの短縮形には複数の意味があり、次の語が手がかりになります。'sの場合、“He's working now.”(彼は今、仕事をしています)は -ing 形が続くので he is です。“He's worked here since last year.”(彼は去年からここで働いています)は he has で、worked のような過去分詞が続くときはたいていこの意味です。'dの場合、“I'd like a coffee, please.”(コーヒーをお願いします)は動詞の原形が続くので I would です。“I'd lost my phone, so I didn't call you.”(スマホをなくしていたから、電話しませんでした)は過去分詞が続くので I had です。
I'll call you tomorrow.
I call you every day.
I've called Ana.
He's working now.
He's worked here since last year.
I'd like a coffee, please.
I'd lost my phone, so I didn't call you.
「できる」か「できない」か:can と can't
ここでは音を一つ聞き落とすと、「はい」が「いいえ」に変わります。しかも can't の最後の t はほとんど聞こえないことがあります。そこで、強さに注意しましょう。“I can come today.”(今日は行けます)の can は弱く、強いのは come です。“I can't come today.”(今日は行けません)の can't は強く長く、母音もはっきりしています。イギリス英語では母音も変わり、car の母音になります。同じ文に二つが出ることもあり、そのときは文の残りが手がかりになります。“I can't come on Tuesday, but I can come on Thursday.”(火曜日は行けませんが、木曜日なら行けます)自分で話すときは can を短くしなくてもかまいませんが、can't は強く言いましょう。そうすれば、相手に「できない」と伝わります。
それでも迷ったら、推測しないでください。確かめ方はこのあとで学びます。
I can come today.
I can't come today.
I can't come on Tuesday, but I can come on Thursday.
対比の強勢
訂正したり比べたりするときは、違っている語が強くなります。“I said Tuesday, not Thursday.”(火曜日と言いました。木曜日ではありません)では、情報のある Tuesday と Thursday が強く発音されます。“I said fifteen, not fifty.”(十五と言いました。五十ではありません)、“I said Ana, not Mia.”(アナと言いました。ミアではありません)も同じです。日本語なら「は」や「が」、語順、「〜ではなく」で示すところを、英語は声の強さで示すことがよくあります。強い語は、相手が覚えてほしい語です。
助動詞が強くなることもあります。“I can't come tomorrow, but my brother can.”(私は明日来られないけど、兄は来られる)では I と my brother を比べていて、最後の can は元の音で聞こえます。同じ語でも、強さで意味が変わります。“I didn't call Ana. Leo called her.”(アナに電話したのは私ではありません。レオです)では I が強く、「私ではない」という意味です。“I didn't call Ana. I called Mia.”(アナではなく、ミアに電話しました)では Ana が強く、「別の人だ」という意味です。文字で見ると、一つ目の文はどちらも同じです。強さの位置を教えてくれるのは二つ目の文です。
I said Tuesday, not Thursday / fifteen, not fifty / Ana, not Mia.
I said Tuesday, not Thursday.
I said fifteen, not fifty.
I said Ana, not Mia.
I can't come tomorrow, but my brother can.
I didn't call Ana. Leo called her.
I didn't call Ana. I called Mia.
迷ったら確かめる
自信がないときは、聞こえたことを言って、二つの選択肢を示しましょう。Sorry, did you say…? は「すみません、〜と言いましたか」という言い方です。曜日や値段、「はい」か「いいえ」かを推測するより確実です。相手は、さっき見た対比の形で答えてくれるかもしれません。“I said Tuesday, not Thursday.”(火曜日と言いました。木曜日ではありません)
fifteen(十五)と fifty(五十)は音が似ているので、数字が大事なときは確かめましょう。何も聞こえなかったら “Sorry, I didn't hear you.”(すみません、聞こえませんでした)と言うか、“Could you repeat that?” と頼みます。聞こえたけれど意味がわからないときは、Do you mean…?(〜のことですか)を使います。
Sorry, did you say Tuesday or Thursday / fifteen or fifty / you can or you can't?
Sorry, did you say Tuesday or Thursday?
Sorry, did you say fifteen or fifty?
Sorry, did you say you can or you can't?
Sorry, I didn't hear you.
Could you repeat that?
聞いてわかれば十分な形:gonna と wanna
速い話し方では、going to が gonna に、want to が wanna に聞こえることがあります。“I'm gonna work tomorrow.” は “I'm going to work tomorrow.”(明日は仕事をします)と同じ意味です。“Do you wanna go for coffee tomorrow?” は “Do you want to go for coffee tomorrow?”(明日、コーヒー飲みに行かない?)と同じ意味です。会話や映画、歌の中で聞いたときに意味がわかれば十分で、自分で言ったり書いたりする必要はありません。完全な形はいつでも使えます。
gonna が going to の代わりになるのは、動詞の前だけです。“I'm going to the market.”(スーパーに行きます)の going to は場所に行くという意味なので、gonna にはなりません。
I'm gonna work tomorrow.
I'm going to work tomorrow.
Do you wanna go for coffee tomorrow?
Do you want to go for coffee tomorrow?
I'm going to the market.
やってみましょう
見本を聞く前に、それぞれの文を言ってみましょう。まず、Did you work on Saturday? と聞かれました。あなたは午前中に仕事をしました。次に、Could you work on Saturday? と聞かれました。あなたは会議があります。次に、数字が聞こえましたが、15か50かわかりません。次に、相手は木曜日だと思っていますが、あなたは火曜日と言いました。次に、火曜日は行けないけれど木曜日なら行けると言います。最後に、ていねいにくり返しを頼みます。下の文は、この順番の答えの例です。
Yes, I did. I worked in the morning.
Sorry, I can't. I have to go to a meeting.
Sorry, did you say fifteen or fifty?
I said Tuesday, not Thursday.
I can't come on Tuesday, but I can come on Thursday.
Could you repeat that?
まとめ:話を追う
強い語を追いましょう。小さな語は弱くなります。質問の始めで、何を聞かれているかがわかります。小さな短縮形で意味が変わることがあります。can は動詞の前では短く、can't は強く聞こえます。対比では、違っている語が強くなります。迷ったら確かめましょう。