フランス語で批判の伝え方を調整する
同僚と、報告書を送る前に数字を確認しています。間違いの可能性を指摘し、相手との関係に合った言い方で確認を頼むのが目標です。依頼する行動は同じでも、相手との距離、話すか書くか、どこまで断定するかを調整します。
必要な言葉と相手との関係を確認する
vérifierは正確かどうかを確認すること、un chiffreは数字、des chiffresは複数の数字、une erreurは間違い、fauxは間違った、ensembleは一緒に、という意味です。Je ne comprends pas ce chiffreは「この数字が分かりません」で、書いた人を責めずに自分の困っている点を示します。Je comprendsは「分かります」、je vais vérifierは「確認します」です。
tuは親しい相手一人に、vousは距離を保つ相手一人や複数の相手に使いますが、日本語の普通体・丁寧体と一対一には対応しません。ここでvousを使う依頼は相手一人への依頼です。条件法のpourriez-vousは「確認していただけますか」、pourraitは提案の「できるのでは」に当たり、後ろには不定詞vérifierを置きます。
Je ne comprends pas ce chiffre.
- くだけた
Tu peux vérifier ces chiffres, s'il te plaît ?
同じ確認依頼を三つの場面で言い分ける
三つとも「この数字を確認する」という同じ行動を頼んでいます。最初は親しい同僚にTu peux…とs'il te plaît(お願い)を使い、次はvousで接する相手にPourriez-vous…とs'il vous plaîtを使います。二つ目は条件法で直接性を弱めた依頼で、主語と動詞を逆にする疑問文は会話でも文章でも使えます。
三つ目のMerci de bien vouloir…は改まった文章の依頼表現で、ここでは「ご確認くださいますようお願いいたします」に当たり、すでに終わった確認へのお礼ではありません。bien vouloirは慣用的な配慮を添えますが、文全体は指示のように響くこともあります。改まった言い方ほど必ず優しい、という順序ではなく、示された場面に合う選択として比べましょう。
Tu peux / Pourriez-vous / Merci de bien vouloir vérifier ces chiffres
- くだけた
Tu peux vérifier ces chiffres, s'il te plaît ?
- 丁寧
Pourriez-vous vérifier ces chiffres, s'il vous plaît ?
- 丁寧
Merci de bien vouloir vérifier ces chiffres.
確定した事実ではなく、自分の見立てを示す
Ces chiffres sont fauxは「この数字は間違っています」と断定します。Il me semble qu'il y a une erreur dans ces chiffresは「この数字には間違いがあるように思います」で、il me sembleが自分の見立てを示し、il y aは「ある」を表します。結論を出す前に相手にも確認してほしい場面で役立ちます。
確信の度合いを変える表現なので、丁寧に見せる飾りではなく、実際の判断に合わせて使います。どちらも人を直接侮辱する文ではありませんが、和らげない断定のほうが強い主張です。tuでも配慮した依頼はでき、vousだけで非難の響きが消えるわけではありません。
Ces chiffres sont faux.
Il me semble qu'il y a une erreur dans ces chiffres.
話し手を含む場合と、一般の人を指す場合
ここでOn pourrait vérifier ces chiffres ensembleは「私たちでこの数字を一緒に確認するのはどうでしょう」という提案で、二人の同僚を含み、ensembleが共同の行動を明示しています。「私たち」の意味でもonの動詞は三人称単数のpourraitになります。Nous pourrions…も同じ二人を指しますが、一人称複数の活用を使い、より改まった文章にも合う形で、nousは会話でも使えます。
onをいつも「私たち」と訳すことはできません。On parle français iciは「ここではフランス語が話されています」で、その場所の人々を一般的に指し、話し手を含む特定の集団は示していません。この用法は文章にもあり、nousに置き換える前に誰を指すかを確かめます。
On pourrait / Nous pourrions vérifier ces chiffres ensemble
On pourrait vérifier ces chiffres ensemble.
Nous pourrions vérifier ces chiffres ensemble.
On parle français ici.
指摘から共同の確認へ進める
二人の同僚が同じ数字を見ています。Aが間違いの可能性を示し、Bは分からない数字を一つ挙げ、Aが一緒に確認することを提案し、Bが確認すると答えます。四つの発言を聞いてから、役を保って繰り返しましょう。相手の能力を評価する代わりに、次にできる行動を示しています。
- A
Il me semble qu'il y a une erreur dans ces chiffres.
- B
Je ne comprends pas ce chiffre.
- A
On pourrait vérifier ces chiffres ensemble.
- B
Je comprends, je vais vérifier.
会話の省略を聞き取っても、改まったメールには写さない
どちらの例も「この数字が分かりません」という意味です。日常会話ではneを省いたJe comprends pas…もよく聞かれ、pasが否定を示しています。省略形は聞いて理解し、このレッスンで自分が使う形や改まった文章にはJe ne comprends pas…を使いましょう。
すべての会話でneを省くわけではなく、残しても会話が不自然になるわけではありません。これらの語は俗語ではなく、親しさ、省略、地域的な用法は別の問題です。neがないから肯定だと考えず、否定のpasを聞き取ります。
Je ne comprends pas ce chiffre.
Je comprends pas ce chiffre.
皮肉と地域の語を文脈から理解する
また間違いが見つかった場面のBravo, encore une erreur !は「お見事、また間違いですね!」で、表面上の褒め言葉がここでは非難を表します。別の場面ならBravoは本当の称賛にもなり、文脈や言い方が重要なので、音声だけで皮肉と確定できるわけではありません。この例は理解用とし、丁寧な批判の代わりに皮肉をまねる必要はありません。
Le total est de septante eurosは「合計は七十ユーロです」で、totalは合計、septanteはベルギーやスイスのフランス語で使われる七十を表し、soixante-dixと同じ数です。地域の語だからといって、俗語や失礼な表現とは限りません。二つの例は理解だけが目標で、地域の話し方や場面を離れた俗語の使用は求めていません。
Bravo, encore une erreur !
Le total est de septante euros.
相手と場面に合う表現を選ぶ
モデルを聞く前に、次の順序で五つの言い方を考えましょう。まずtuで話す親しい同僚に数字の確認を頼み、次にvousで接する初対面の連絡相手に同じ確認を頼み、三つ目にその依頼を改まった文章にします。その後、数字に間違いがあるように思うが確定はしていないと伝え、最後に隣の同僚と一緒に確認することを提案します。
すでに見たvérifier ces chiffres、il me semble qu'il y a une erreur、on pourrait… ensembleを使えます。五つのモデルはこの順序で並びますが、ほかの適切な言い方も可能です。確認したら、どの部分が相手との関係、文章か会話か、確信の度合いを示しているか説明してみましょう。
- くだけた
Tu peux vérifier ces chiffres, s'il te plaît ?
- 丁寧
Pourriez-vous vérifier ces chiffres, s'il vous plaît ?
- 丁寧
Merci de bien vouloir vérifier ces chiffres.
Il me semble qu'il y a une erreur dans ces chiffres.
On pourrait vérifier ces chiffres ensemble.
相手との距離と、伝える強さを別々に選ぶ
誰に伝えるか、話すのか書くのか、どこまで断定や指示をするか、の三点を考えます。Pourriez-vous vérifier…はvousと直接性を弱めた依頼を組み合わせ、Merci de bien vouloir…は文章の慣用表現ですが、指示らしさが残ることもあります。Il me semble…は確認の余地を残し、On pourrait… ensembleは次に一緒にできる行動を提案します。
onは話し手を含む集団にも人一般にもなり、文脈で判断します。tuとvousは相手との関係に合わせて一貫させ、省略や地域の語は理解しつつ、受け取られ方が分からない俗語や皮肉は自分の批判には持ち込まないようにしましょう。
- 丁寧
Pourriez-vous vérifier ces chiffres, s'il vous plaît ?
On pourrait vérifier ces chiffres ensemble.