ポルトガル語の議論で立場を理解する

レベル B2

ポルトガル語の議論で立場を理解する

議論では、数字も、そこから引き出した結論も、その結論を支える仮定も、どれも事実のように聞こえることがあります。ここでは、短いニュースをもとに、商店主と住民が大通りの自転車レーンについて言い争います。このレッスンを終えると、賛成か反対かにかかわらず、segundo…、isso sugere…、não demonstra que… を使って、ある主張がどこから来て、どこまで言えるのかを述べられるようになります。

すでに知っている3つの道具

これまでのレッスンから3つの表現がまた出てきます。ニュースではよく、foi と過去分詞で出来事を前に出します。“Foi anunciado que a energia volta às dez.”(電気は10時に戻ると発表されました)。Por um lado と por outro lado は、問題の2つの面を比べます。É provável que に seja や tenha を続けると、どのくらい確かかを言えます。“É provável que a causa seja um raio.”(原因は雷である可能性が高いです)

このレッスンでは、どのくらい確かかではなく、聞いている発言がどんな種類のものかを考えます。

話題のことば

情報源:短いニュース

この5つの文を地域のニュースとして読みましょう。a avenida は大通り、a prefeitura は市役所、afastar clientes は客を遠ざける、afirma は主張するという意味です。hoje は今日、今、o dobro de は「〜の2倍」です。

まだどちらの味方にもならず、誰が何を言っているかだけを確かめます。1文目は出来事を伝え、次の3文は情報源を示して数字を挙げ、最後の文は商店会の説明です。

モデル:大通りをめぐる言い争い

商店主(a)と住民(b)が、このニュースについて言い争います。aceitar は「認める、受け入れる」、bairro は地区です。2人は o cliente や vaga を単数で使って、客や駐車スペース全般を指しています。ブラジルの会話でよくある言い方で、だから商店主は “E não chega?”(車で来ないんですか)と単数で返せます。住民が数字は認めても、そこから出した結論は認めない場面を聞き取りましょう。

主張を分解することば

データ、解釈、仮定

最初の3文は形が似ていますが、役割は違います。dado は測ったり数えたりしたもので、確かめることができます。“As vendas da avenida caíram dez por cento.”(大通りの売り上げは10%落ちました)。interpretação は、そこから誰かが引き出した結論です。“A ciclovia afastou clientes.”(自転車レーンが客を遠ざけました)。pressuposto は、その結論が当然としていることで、口に出されないこともよくあります。“O cliente da avenida chega de carro.”(大通りの客は車で来ます)

文法だけでは違いが見えないので、注意深い話し手は言葉で示します。segundo… は情報源を示し、isso sugere… は解釈を示し、não demonstra que… はその限界を示します。結論を事実のように言われたら、こう答えられます。“Isso é uma interpretação, não um dado.”(それは解釈であって、データではありません)

出どころを言う表現

segundo は「〜によると」という意味です。日本語の「によると」は情報源の後に来ますが、segundo は情報源の前に置き、続けてコンマと内容を言います。情報源を示すだけで、話し手が賛成しているとは言っていません。機関、文書、人物のどれにも使えます。segundo a prefeitura、segundo o jornal、segundo ela です。自分の意見を言うときは na minha opinião(私の意見では)を使います。segundo lugar(2位)や um segundo(1秒)の segundo とは別で、ここでは後ろに情報源が来ます。

情報源を示しても、意見がデータになるわけではありません。“Segundo ela, a ciclovia afastou clientes.” は、言った人がわかるだけで、解釈のままです。

Segundo fonte, informação.

解釈を示す表現

sugerir はここでは、ある事実が結論を指し示しているものの、確定はしていないという意味です。日本語の「示唆する」より硬くなく、議論や会話でふつうに使えます。isso は直前に言われたことを受けます。esse dado や esses números のように具体的に言うこともできます。主語が単数なら sugere、複数なら sugerem です。atrair は引きつける、呼び込むという意味です。日本語の「〜ことを」にあたる que は動詞の後に来て、その後に内容が続きます。この使い方では、que の後の動詞はふつう直説法のままです。“Isso sugere que a ciclovia afastou clientes.”(これは、自転車レーンが客を遠ざけたことを示唆しています)

Isso / Esses números sugere / sugerem que frase.

限界を示す表現

não demonstra que は、事実は認めたうえで、結論への飛躍を認めない言い方です。結論がまちがいだとは言っておらず、この材料だけでは足りないと言っています。“Sugere, mas não demonstra.”(示唆はしていますが、証明はしていません)は、それを短く言った文です。主語が複数なら não demonstram です。trânsito は交通、melhorou はよくなったという意味です。この後では2つの法のどちらも正しく、“não demonstra que a ciclovia é a causa” とも “não demonstra que a ciclovia seja a causa” とも言えます。接続法の seja は疑いを強調し、ていねいな書きことばでよく使われます。会話では直説法のほうがふつうで、não prova que もよく聞きます。

Isso / Esses números não demonstra / demonstram que frase.

「示唆する」か「証明する」か

どちらを選ぶかは、材料がどこまで言えるかで決まります。たとえば、自転車レーンの後に売り上げが落ちても、ほかの理由で説明できるかもしれないので、sugere が正直な動詞です。商店主たちが前と後で駐車スペースを数えたなら、その数はこの限られた点を確定させるので、demonstra が合います。“Isso demonstra que a rua tem menos vagas.”(これは、通りの駐車スペースが減ったことを証明しています)

どちらの動詞にも別の使い方があります。demonstrar は、製品の実演のように、やり方を見せるという意味にもなります。また、人が行動を提案するときの sugerir には接続法が続きます。“Sugiro que a prefeitura espere.”(市役所は待つべきだと提案します)。これは解釈ではなく提案で、1人称の形 sugiro は i で書きます。

仮定を言葉にする表現

言われていない仮定を表に出すには、o pressuposto é que と言って、その内容をふつうの文で続けます。traz は「連れてくる」という意味です。結論が成り立つには何が本当でなければならないかを考えると、見つけやすくなります。pressuposto はまちがいとは限りません。まだ確かめられていないだけです。だからこの議論は “Esse dado a gente ainda não tem.”(そのデータはまだありません)で終わります。

O pressuposto é que frase.

賛成でなくても、忠実に伝える

ある立場を伝えることは、その立場をとることではありません。最初の例のように、まず公平に伝えて、別の文で反対を述べることができます。não concordo は「賛成しません」という意味です。情報源が言ったことと、その強さを守りましょう。sugere と書いてあるのに demonstra と伝えてはいけません。付け加えるのもいけません。ニュースで市役所が挙げたのは自転車利用者の数です。“A prefeitura falou de ciclistas, não de trânsito.”(市役所が話したのは自転車利用者のことで、交通状況のことではありません)。交通について言うなら、それは市役所の話ではなく、あなたの考えです。

やってみよう:反対側にも同じ注意を

今度の数字は自転車レーンに有利です。自分が賛成しそうな主張も同じように確かめましょう。1文目を読み、残りの2文を隠して、解釈、その限界、仮定を自分の言葉で言ってみます。それから音声と比べます。“Isso sugere que a ciclovia atraiu gente nova.”(これは、自転車レーンが新しい人を呼び込んだことを示唆しています)

次に、最近読んだニュースを1つ選びましょう。dado は何か、それを出しているのは誰か、それは何を示唆しているでしょうか。

まとめ

聞いた内容について3つのことを考えましょう。何が測られたのか、何が結論とされているのか、何が当然とされているのかです。segundo で情報源を示し、isso sugere que で解釈を示し、não demonstra que でその限界を示し、o pressuposto é que で仮定を言葉にします。“Segundo a associação de comerciantes, as vendas da avenida caíram dez por cento.”(商店会によると、大通りの売り上げは10%落ちました)。sugerir は問いを開いたままにし、demonstrar は問いを閉じます。賛成していなくても、ある立場を忠実に伝えることはできます。

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